日本のトラウマ治療は遅れている

トラウマ(PTSD,複雑性PTSD)

私は複雑性PTSDと診断され、その原因として学生時代のいじめがトラウマになり様々な症状を引き起こしていることを知った。

PTSDを克服するために根本原因であるトラウマについて深く調べるようになったが、

様々なことを知るにつれ日本のトラウマ治療の遅れを痛感した。

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トラウマを治療できる場所が少ない

治療に関してまず思い出される場所が精神科や心療内科などの病院であろう。

病院は症状に対する対症療法が主である。

投薬により恐怖や不安感を和らげたり、抑うつから気分を安定させたりする。

しかしトラウマを治療する上で投薬などの対症療法だけでは足りない。

根本原因となっているトラウマ事態に焦点を当てた治療が必要になってくる。

薬物療法も大切だが身体の奥底に閉じ込めているトラウマを解放しなければ回復は見えてこない。

このトラウマを上手く解放することが非常に難しく、薬物療法とトラウマ自体を癒す療法をバランスよく治療できる場所が必要である。

しかし、トラウマを正しく治療できる病院は非常に少ないように感じる。

症状に苦しみ始めた患者はまず自宅近くの心療内科や精神科に行くだろう。

そこではトラウマによる二次障害の治療、つまり抑うつや、不安感に対する投薬治療、またはカウンセリングが中心で、根本原因であるトラウマにアプローチされることは残念ながら少ない。

もちろんトラウマ治療をしっかり行っている病院もあるが、そういったトラウマ治療に特化した場所を自分で見つけ出さなければいけない。

数ある病院の中から探し出すのは大変であり、やっと見つけても遠方で通えなかったりする。

ただでさえエネルギーが枯渇している患者は途方に暮れてしまうのである。

また民間のカウンセリング施設なども同じく効果のある方法で正しく行っている所を探し出すことが難しい。

また、料金も高いので効果のない民間療法などには騙されないよう注意しなければいけない。

傷ついた心の隙間に入り込んで、言葉巧みに騙し、お金を奪っていくような悪い人は一定数、世の中に存在する。

参考になった書籍はほとんど海外のもの

トラウマに関するは書籍数多く出版されているが、その中でも私が感銘をうけたのが

ベッセル・ヴァン・デア・コーク先生の「身体はトラウマを記録する」やピーター・A・ラヴィーン先生の「身体に閉じ込められたトラウマ」などである。

この著者の方たちはどちらもトラウマ治療の第一人者でトラウマに関して飽くなき探究心で研究し続ける姿には感動すら覚える。

この二冊を読めばトラウマの歴史から人がトラウマを受けるメカニズムまで深く理解できるだろう。

またトラウマ治療の最前線についても詳しく書かれており、さまざまな治療法を知ることができる。

しかしそこに書かれている治療法を試したいと思っても、日本でしっかりとした治療を受けられる場所はほとんどない。

ここに日本のトラウマ治療の遅れを痛感せずにはいられない。

日本人が書いた本でここまで精度の高いものに出会ったことはなく、海外との大きな差を感じる。

良き治療者に出会えない当事者の方はまずこの本を読んでみることをお勧めする。

きっと暗くて歩けなかった道を、明るく照らしてくれるだろう。

またこの本は当事者以外の方にもぜひ読んでいただきたい。

精神科医、カウンセラー、教育者などトラウマを受けた人とかかわる可能性がある人は一度本を手に取って、治療やカウンセリングに取り入れていただきたい。

今後、日本でもトラウマ治療のプロフェッショナルが多く誕生することを切に願う。

トラウマに対する認識が低い

日常生活でトラウマという言葉を聞く機会もあるかもしれないが、私は日本でのトラウマの使われ方に違和感を感じる。

マスメディアやネットなどで軽々しく扱われているのを見ると、日本はトラウマに対する認識が低いことは確かだ。

トラウマの本質を理解すれば、軽々しくトラウマを扱えなくなる。

マスメディアやネットなどにある間違ったトラウマと本当のトラウマが混同してしまっている。

本当のトラウマとは
虐待やいじめなどの慢性的なストレスにさらされること、また戦争を体験した兵士やレイプ被害者、交通事故、自然災害など生死にかかわる経験をすることなどがあり、このような体験が未完了のストレスとして身体に保存され、様々な症状が身体に現れようになる。

本当のトラウマのメカニズムを知れば軽々しくトラウマを扱うことが危険だと言うことがわかるだろう。

また、慢性疲労や慢性陣痛などの原因不明の症状はトラウマによって引き起こされている可能性がある。

偏頭痛や消化器症状に悩まされている人も多いかもしれない。

こういった身体症状や抑うつ、不安などの精神症状を解決するためには根本原因となっているトラウマにアプローチしなければいけない。

この考え方が普及すればもっとたくさんの人がトラウマ治療に注目し、回復に向けての助けを得られるのではないだろうか。

そうすれば上辺の症状に対する投薬が中心の治療から、根本的解決に向けた新しい日本の医療に変わることが出来るかもしれない。

そういった期待を込めて私も情報発信を行っている。

私は複雑性PTSDを経験した当事者として、トラウマに対する正しい情報を提供する義務があると思っている。

少しでも正しいトラウマの知識を広められたら嬉しく思う。

このような活動は今後も続けていきたいし、それがいつかきっと誰かの助けになると信じている。

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