トラウマを克服するために必要な考え方

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トラウマ(PTSD,複雑性PTSD)

私たちは誰もが日常生活でトラウマを受ける可能性がある。

トラウマを受けてしまった人はどのようにトラウマと向き合い、克服していけばいいのだろうか。

トラウマが原因で発症するPTSDや複雑性PTSDから回復するためには根本原因であるトラウマに向き合わなければいけない。

身体の中にあるトラウマの扱い方を間違えると症状を悪化させる可能性がある。

私は長年、複雑性PTSDに苦しんできたが、トラウマと正しく向き合うことで回復することができた。

今回はトラウマを克服するために必要な考え方について考察してみた。

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トラウマを背負う前の自分には戻れない

トラウマを克服しようとする人が陥りがちの間違いがトラウマを受ける前の自分に戻ろうとすることだ。

しかしこれは無理難題であり、昔の自分に戻ろうとするから余計に苦しくなる。

なぜ昔の自分に戻れないのだろうか?

トラウマを背負う前の自分に-生き生きとした感覚、喜びや希望にあふれ、純粋な心で様々なことに挑戦できていた-戻りたい気持ちはよくわかる。

あの頃の自分に戻り、あの頃の感覚を取り戻すことができたらどれほど幸せか考えてしまうだろう。

しかしそこを目指してはいけない。

なぜならトラウマになってしまうような自分にとっての大きな衝撃的出来事をなかったことにはできないからである。

身体に対する傷を例にして考えてみるとわかり易いかもしれない。

小さい傷であれば跡は残らず消えてしまうが、大きく深い傷は消えずに痕跡を残してしまう。

精神に対しても同じで、トラウマ的出来事は心に大きな傷跡を残す。

その傷跡を跡形もなく消し去ることはできないし、古傷が痛む事に私たちは苦しめられることになる。

いつ痛み出すかわからない古傷に怯えながら生活しなければいけない。

つまりトラウマ的出来事に対しての直接な恐怖と、その傷がいつ痛み出すかわからないという二重の恐怖に苛まれる。

そのような恐怖と不快な感情に圧倒され、トラウマという難敵に為す術がないように感じてしまう。

私たちは一生トラウマに圧倒されなければいけないのだろうか?

傷とともに生きる

消えない傷、いつ痛むかわからない傷に対してどのように対処していけばいいのだろうか。

まずその傷を消そうとすること、なかったことにしようとすることを止めることだ。

見て見ぬふりをすることは、一見すると辛い感情を和らげるように感じるかもしれないが、せいぜい一時しのぎで、見えないところで傷口がどんどん大きくなっている可能性がある。

気づいたら取り返しのつかない大きな傷となって、あなたをさらに苦しめるかもしれない。

私たちに出来ることはたった一つである。

それはトラウマによってできた傷に対して徹底的に向き合うことである。

トラウマによる恐怖、怒り、悲しみ、嫌悪に逃げずに向き合うのだ。

トラウマを受けた人はこういった不快な感情を感じることを恐れ、感覚を麻痺させる傾向にある。

状況を変えるにはこのような感覚に向き合うしかない。

もちろん少しずつで大丈夫だし、感情に圧倒されそうになったら逃げてもいい。

少しずつ向き合うことで、不変だと思っていた不快な症状に変化が現れるかもしれない。

恐怖や怒りに圧倒されそうになってもそれを冷静に感じ、落ち着いて対処できるようになる。

無気力感に圧倒されそうになってもそこに意識を集中させ上手く対処できるようになる。

もちろんそこに至るまでには長い時間がかかるかもしれないし、簡単ではないが、感情に圧倒されそうになっても「大丈夫だ」という安心感を培うことが出来るようになる。

要するにトラウマを克服するとは、傷を背負いながらも、その傷の痛みと上手く付き合い、自分でコントロール可能な状態にすることだ。

これは格好いい言い方をすると、自分のトラウマに向き合い、逃げずに、葛藤を克服しようとするヒーローのような存在である。

詳しいトラウマの克服方法については他の記事を参考にしてもらいたい。

最初に書いたが、トラウマを背負う前の自分には戻れない。

しかし、傷を背負いながらもトラウマの強力な不快な感情や無気力感などに勇敢に向き合い、克服することはトラウマ前の自分より確実に成長している。

つまりトラウマを克服することでより成長した自分になるということだ。専門用語で言うと心的外傷後成長(PTG)という言葉が当てはまる。

トラウマ的な出来事に出会わなかったら、こんなに苦しまなくてよかったかもしれない。

しかし、自分自身の感情と真剣に向き合い、克服する喜びも得られなかっただろう。

トラウマ自体に意味などないかもしれないが、あえてそこに意味を見いだすとすれば、トラウマと向き合い、克服し、成長することで新しい自分になることかもしれない。

完全な完治は難しくても、トラウマを克服し、症状を自分自身でコントロール出来るようにすることは可能である。

つまり、
完治=病気の前の状態に戻る。
克服=病気の前の自分より成長した状態になる。


と私は考えている。

だから必ずしも完治を目指す必要はない。

病気の克服が真のゴールと考える。

自分の内面と向き合うことができるかどうかが、トラウマにより破滅的な人生を歩むか、はたまたトラウマを背負う前より成長した自分として生きていくかの大きな分かれ道になるだろう。

トラウマ克服は長い旅である

一瞬でトラウマを克服する方法など存在しない。

ネット上などにあるトラウマ克服方法は薄っぺらいものが多いので注意しなければいけない。

トラウマを克服するには上記に書いたように時間をかけて自分の内面と向き合うことが必要になってくるが、焦りは禁物である。

特に慢性的なトラウマ状態に曝されていた人(虐待、いじめなど)は回復までに時間がかかるのは当然だ。

少しずつ自分の内面に向き合い不快な感情に圧倒されそうになったら、意識を他のものにそらしてみよう。

また、トラウマと直接戦ってはいけない。

トラウマと戦えば戦うほどトラウマは大きくなり手の施しようがなくなる。

トラウマと戦うのではなく、トラウマを理解し、自分自身のからだと仲良くなることが重要である。 

一歩進んで半歩下がるくらいのゆっくりとしたスピードでしか、進めず自分の変化にも気づきにくいかもしれない。

こうした繰り返しによって気づいたらいつの間にか自分の感情をコントロール出来るようになっている感覚だ。

トラウマ克服することは長い旅に出るようなものだが、旅から帰ってくるときには別人のように成長しているだろう。

プロフィール
サカキ

幼少期に虐待、いじめを経験。トラウマに苦しめられる日々。
見返してやろうと奮闘するも、何事もうまくいかず・・・
それでも普通に働いて、幸せを感じられるようになりました。
自分に効果があった方法(治療法、心理学、スピリチュアルなど)紹介していきます。

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