虐待やいじめに苦しんだ幼少期、うつ病やPTSDなどの精神疾患が判明した学生時代、そして、発達障害(ASD,ADHD)と20歳の時に診断されるなど散々な歴史を歩んできています。
自分でも、とても惨めな人生だと感じずにはおれません。
しかし、現在私は部署のトップに上り詰め、責任者として働いていて、仕事ではある程度成功をおさめています。
収入も平均以上あり、ようやく人生に落ち着きを取り戻しつつあります。
諦めなくて良かったというのが正直な感想ですが、ここまでくることは簡単な道のりではありませんでした。
今回は自分の体験を通して学んだことを紹介します。
・発達障害や病気のせいで働くことが怖い
・働くのが辛くてどうしたらいいかわからない
・身体や精神にハンデがあるけど仕事で成功したい
このような方には参考になると思います。
学生時代に感じた違和感
私は高校生に頃から、他人に対して違和感を抱いていました。
同級生と上手くコミュニケーションが取れず、頑張って話しても必ずバカにされてしまうのです。
そして、最終的にはいつも、いじめにつながってしまいます。
発達障害、特にASDの特徴が強かったため他人と違うことは当然なのですが、当時は発達障害の診断が出ておらず、なぜ自分だけ普通じゃないのかとかなり悩んでいました。
そのような理由もあり、当然私は将来に対して漠然とした不安を抱くようになったのです。
普通に大学に行って、普通に就職して、まともに働けるのだろうかと。
特に高度なコミュニケーションが必要とされる仕事は、自分の特性からして絶対に無理だと感じていました。
自分にできる仕事はあるのだろうかと、様々な仕事を調べているうちに、ある職業が目にとまりました。
それは診療放射線技師という仕事です。
診療放射線技師は放射線などを用いて様々な検査を行う医療系の仕事ですが、なぜかその仕事に心を奪われたのです。
診療放射線技師になるためには国家資格が必要で、専門の学部が存在する大学に進学する必要がありました。
高校時代に一生の仕事を決めるのは勇気がいる決断ですが、今となっては苦しみながらもこの決断をした自分を褒めてあげたいです。
この決断のポイントは他人との違和感から自分の特性をしっかり分析し、将来について考えることができた点でしょう
パソコンに向かって作業する事務職や、高度なコミュニケーション能力が求められる営業職に就いていたら今ごろ路頭に迷っていたかもしれません。
よく医療職などの命に関わる仕事は発達障害者には向いてないという声もあるが、私は全くそう思わないです。
実際に障害を抱えながらも現場で活躍している医師や看護師はたくさんいます。
患者さんのことを考え、病気について突き詰めていく作業は、発達障害がある人に向いている場合も多いのではないでしょうか(もちろん障害の特性によります)。
とにかく自分の特性を知り(得意なこと、不得意なことを見極め)、将来について考えることをなるべく早い段階から行うことが成功への近道です。
健常者として働くか、障害者として働くかという永遠の課題
大学生時代はメンタル状態の悪化もあり、休学や留年を繰り返してしまいましたが、何とか卒業と診療放射線技師免許を取得することができました。
大学在学中に発達障害やうつ病、PTSDの診断も下っていましたが、最初に就職した職場ではすべてクローズで働くことにしました。
しかし、私の就職した病院の上司はかなり高圧的で、少しのミスでも怒鳴ったり、時には暴力を振るうような人でした。
社会に出てもいじめられるのかと絶望した記憶があります。
不安と恐怖で体が凍り付き、思考も停止してしまい、余計にミスをするという負のスパイラルにはまってしまったのです。
いわゆるパワハラという精神的圧力は発達障害の症状をより強くし、うつ症状も急激に悪化していきました。
そして、最終的には休職、退職という結末を迎えてしまいます。
この経験から、私は発達障害や精神疾患をオープンにして働くことを決意しました。
転職活動中から障害者向けの転職サービスを使い、私の身体的、精神的障害を受け入れてくれる職場を探し、現在の職場を見つけたのです。
障害をオープンにして感じた最大の利点は、精神的な安心を感じられることにあります。
発達障害や精神疾患があることを理解してもらえる安心感は自らの能力を最大限に発揮する絶対条件です。
安心できる環境は発達障害や精神疾患の症状を最小限に抑え、自らの長所は最大限に生かせます。
私自身も安心できる職場に移動した途端、自分でも驚くほどに能力を発揮できるようになりました。
逆に言えば、前職のようなパワハラや威圧的な人が存在する職場では、いつまでたっても自分の長所を生かすことはできません。
恐怖が存在する場所では、人は防衛反応が働き、身を守ることが最優先になるため、自分の能力を発揮するどころではなくなるです。
発達障害や精神疾患がありながらも成功している人はたくさんいますが、その人たちの共通点は安心できる環境で働いていることです。
障害を抱えながら働く上で一番大切なことは安心できる環境を確保することですが、安心できる環境を確保するための強力な助けになるのが、障害をオープンにして職場を探すことだと私は考えています。
障害をオープンにして働くなら障害者の転職のような障害者に特化した転職サービスを利用することをお勧めします。
このようなサービスを利用するメリットとして
- 個別サポートが充実しているため発達障害や精神疾患があっても安心して転職活動を進めることができる。
- 障害ありきで転職を目指すので、身体や精神にハンデがあっても働きやすい環境を見つけやすい。
かなり多くの求人が存在しているので興味がある方はチェックしてみてください。
障害をクローズして健常者として働くか、オープンにして障害者として働くかに関わらず、安心できる人と安全な環境に就職することが長期間継続して働く上で一番重要なことだと感じています。
私が仕事で成功した訳
私が部署のトップまで上り詰め、仕事で成功できた理由は、あることを常に意識しながら働いたからです。
それは患者さんのためになること、そして病院のためになること、最後に自分自身のためになること、この3つを満たしていることを見つけ、それをひたすら頑張ったこと。
この「三方良し」を意識し続ければ仕事の成功を引き寄せやすくなります。
職場のためだからと言って自分を犠牲にしていては、長く仕事を続けることは難しいでしょう。
私の場合、放射線技師でありながらエコー(超音波)検査の技術を身に着けることが「三方良し」にな生ると考えました。
当時、私の病院ではエコー検査は積極的に行われておらず、エコー検査を行う場合は他院に紹介している状態でした。
昔からエコー検査に魅力を感じていたし、私が技術を身に着けることで患者さんの病気早期発見のために検査を行うことができ、最終的には病院の利益にもつながるのです。
自分の特性上、一つのことを突き詰めるのは得意だったし、何より楽しみながら努力することができました。
しかし、その途中に私の行動を止めようとしてくる上司や同僚が多く現れました。
「そんなことしても意味ないよ」とか「余計な仕事を増やすなよ」などいろいろ言われましたが、すべて無視しました。
その人たちのために働いているわけではないですから。
実際にエコー技術を身に着け、検査を開始すると、周りの人たちの私を見る目が変わりはじめました。
誰もできなかった検査を行えるようになったことで、医師から頼られるようになり、かなり信頼されるようになったのです。
私に文句を言ってきた上司や同僚はいつのまにか職場からいなくなっていました。
そして、気づいたら私が部署の責任者となっていたのです。
自分の得意なことで患者さんや職場に貢献できることはとれも嬉しいし、何より自信がつきました。
今でも発達障害の症状で苦しめられることはありますが「三方良し」を意識していれば間違った方法に進むことはないと感じています。
今では後輩たちのためにストレスのない職場、全員が活躍できる職場を目指して働いています。
能力を最大限に発揮するために
自らの能力を最大限に発揮するためには常に平常心でいる必要があります。
精神的に問題を抱えている人は些細のことですぐにパニックに陥ってしまうので。
パニックになると冷静に状況を判断することができなくなり、普段できていることもできなくなってしまいます。
大切なのは完全にパニックになって、何もできない状態を防ぐことです。
まず、自らを内観し、どのような場面でパニックになりやすいかを考えましょう。
そして、パニックになりそうになったときに、それを食い止める方法をいくつか用意しておくと良いです。
例えば、深呼吸をしたり、肩の力を意識的に抜いてみたりと些細なことでも十分効果が得られる可能性があります。
自分で自分を落ち着かせることができるようになると、パニックに陥ることが少なくなるでしょう。
完全にパニックになってしまうと手遅れになってしまうので、その手前で食い止めることが必要なのです。
そのためには日頃から自分の内面を観察し、意識的に自らをコントロールする訓練をしなければいけません。
発達障害があろうと、冷静になれば苦手を克服することもできるし、長所を伸ばすことも可能なのです。
それに加えストレスを溜めないように自己管理することも大切です。
私たちは特にストレスに弱く、簡単に押しつぶされてしまう傾向にあります。
だからこそ「これ以上頑張ったら危険だ」とか「今は休むタイミングだ」という内面から発せられるメッセージを大切にしなければいけません。
この身体からの信号を無視すると、いつかメンタルの不調を引き起こすことになります。
一番大事なのは自分の精神の安定であり、それが保てない職場ならすぐに転職した方が良いでしょう。
ストレスが少ないこと、冷静さを保てることが自分の能力を最大限に発揮し、成功するために最低限必要なことなのです。
まとめ
発達障害の特徴は人それぞれ異なり、長所や短所もバラバラです。
自分の特徴を知ることで長所を生かすことができますし、安心できる環境を確保できれば能力を最大限に生かすことも可能です。
常に意識しなければいけないのは他人ではなく、自分の内面です
今回は私の実体験を文章にしてみました。
私の体験が誰かの参考になってくれたら嬉しいです。