人生を辛く感じている人は多いと思う。
特にうつ病などの精神疾患を患っている人やADHDなどの発達障害を持っている人などは今の世の中を生きにくく感じているかもしれない。
精神疾患は完治が難しい場合も多いし、発達障害は治るものではない。
しかし、精神疾患や発達障害を抱えながらも、人生を自分らしく鮮やかに彩る方法はきっとあるはずである。
生きにくさは間違った方向に進んでいるサイン
もし、現在生きにくさを感じているのであれば、今進んでいる道が自分には合っていないのかもしれない。
でも、たいていの人はその道を進み続けてしまう。
生きにくさを感じているにも関わらず、そのサインを無視し続けるとどうなるだろうか?
体やメンタルの不調が次々と現れ、今までの道を進むことができなくなり、強制的に休養せざる得なくなるだろう。
しかし、身体やメンタルの不調は決して悪いことではない。
なぜなら自分が間違った方向に進んでいることを教えてくれているからだ。
病気になったからこそ気づくこともたくさんある。
しかし、多くの人は休養を経た後、また同じ道に戻ってしまうのである。
そしてまた同じような苦しみを味わい、さらに深い傷を負うことになる。
この負のループに陥ると蟻地獄のようにどんどん深みにはまって、抜け出せなくなってしまう。
体やメンタルがボロボロになるまで自分自身を酷使してしまうのだ。
なぜこのようなことが起きてしまうのか?
それは自分が本当に進むべき道がわからないからである。
日本人が受けてきた教育の影響
私たち日本人は親や学校から間違った教育を受けてきた。
それは「人生は辛くて当然だ」とか「辛いことから逃げてはいけない」とか「辛い状況に耐えることで人は成長する」などの教えだ。
これらの考え方は非常に危険であり、大人になってからも自分の首を絞めることになる。
断言できるが、辛い状況に耐え続けることで人は成長なんてしない。
せいぜい体やメンタルの不調に陥るだけである。
冷静に考えれば辛い状況に居続けることがおかしいことだとわかるはずだ。
しかし、子供なころから間違った教育を刷り込まれてしまっている人はそれに気づかない。
逃げることは悪いことだと思ってしまう。
私たちは辛い状況に耐える努力をするのではなく、辛い状況を回避するための努力をしなければいけない。
辛い状況を回避し、自分に合った道を歩み始めなければいけない。
生きるためのヒントは自分の中にある
自分に合った道をどのように見つければよいのか。
他人のアドバイスを鵜呑みにしたり、他人と自分を比較したりすると、本当に自分が進むべき道がぼやけてしまう可能性があるから注意しなければいけない。
ヒントはすべて自分の中にあるのだ。
先ほど「辛い状況を回避する努力をしなければいけない」と述べたが、辛い状況を回避する課程で本当の自分を知り、自分自身と向き合うことで、自分が進むべき方向が見えてくるはずである。
世間一般では辛いことを避ける事が逃げる事だとされているが、それは間違えである。
正しくは自分自身と向き合うことを避ける事、辛い気持ちと向き合うことを避ける事が逃げることだと私は思っている。
自分自身が進むべき道を見つける方法
あなたは自分自身のことをどれくらい知っているだろうか?
自分の内面を細かく調べたことをあるだろうか?
人生が辛い人や、人生を生きにくく感じている人は、他人や外部の環境ばかり気にして、自分の事については感覚が麻痺しているかもしれない。
一度外部の刺激は無視して、自分の内面に気持ちを集中してみよう。
試しに私がこれからする質問に答えてみて欲しい。
きっと自分のことを知る手掛かりになるだろう。
・あなたはどんな場所にいると落ち着きますか?またどんな場所にいると不快に感じますか?
・あなたはどのような人が好きですか?またどのような人が嫌いですか?
・あなたが夢中になれるものは何ですか?
・どんなことにストレスを感じやすいですか?
・得意なことは何ですか?苦手なことは何ですか?
・やりたいのにできていないことはありますか?
・止めたいのに止められないことはありますか?
・どのような事にお金を費やしていますか?
・どのような人に憧れますか?またどのような人を許せないと感じますか?
・日常性かでどのような事に喜びを感じますか?
・日常生活で怒りを感じてしまうのはどのような場面ですか?
・友人とどのような会話をすることが好きですか?
・今一番辛いことは何ですか?
・今一番喜びを感じられることは何ですか?
どうだろうか?
しっかりと答えることができただろうか?
実は自分を知るためのこのような質問はまだたくさんあるが、いきなり全部を答えようとすると混乱してしまう可能性がある。
少しずつ答えを見つけていけばいいし、もちろんわからなければ無理に答える必要はない。
一つ注意点として、他人は一切意識しないことである。
会社の上司や家族や友人などを意識して出した答えは、あなたの本当の答えではない。
自分の直感や素直な気持ちをくみ取ることが大切である。
私がこの方法を取り組んだ時にまず感じたことは、自分自身のことを全然知らなかったということだ。
こんなにも自分のことを知らなかったのかと驚いた記憶がある。
はっきりこと答えられない質問もたくさんあった。
この方法の良いところは、今まで如何に自分に無頓着に生きてきたかがわかることである。
答えられなかった質問があったら、日常生活でその質問を意識して生活してみると良いだろう。
きっと自分の内面にある新たな気づきを見つけることができるであろう。
例えば上に書いてある質問の中で「日常生活で怒りを感じてしまうのはどのような場面ですか?」について答えることができなかったとしたら、日々の生活の中で怒りという感情に意識を集中させてみるのだ。
そうすると自分がどのような場面でイライラしやすいのかの傾向をつかむことができるだろう。
傾向がわかれば対策も可能になる。
このようにどんどん自分に対しての理解を深めるのである。
自分自身のプロフェッショナルになって人生を攻略しよう
私がもし「人生とは何か」と聞かれたら「人生とは自分自身を知る作業である」と答える。
生まれた時は自分とは何かなんて全く分からない。
そこから様々な体験を通して本当の自分を知り、本当の自分を見つけるのである。
しかし、私たちは親や先生、友人や会社の上司などの様々な外部要因によって本当の自分を見失い、自分自身を知る作業を疎かにしている。
それどころか他人に意識を向け、他人を知る作業に必死になっているのだ。
自分を無視し続けると必ずどこかで身体やメンタルの不調に陥ることになる。
他者に意識を向けるのをやめ、自分に意識を向けなければいけない。
自分を内面と向き合い、自分を知ることはまさしく成長であり、その過程で自分が進むべき方向も見えてくるはずである。
上に示した方法で自分に様々な質問をして、答えを紙に書きだすワークを行ってほしい。
その紙は人生の地図であり、あなたが歩むべき方向の道しるべとなるだろう。
精神疾患や発達障害で苦しむ人こそ自分を知るべきである
うつ病などの精神疾患を患ってしまった人は、今まで自分のことをとことん無視し続けた人である。
病気をきっかけに自分と向き合い始める人もたくさんいる。
自分を知り、自分の進むべき道を見つけることで、回復のスピードは格段にアップする。
しかし、自分のことを理解できていないまま、間違った道を進み続けると、症状は悪化し、状況は酷くなる。
また、ADHDなどの発達障害を持っている人は、生きづらさを感じている人が多いと思う。
生きにくい状態で生活し続けると、体やメンタルの不調に陥ってしまう。
この二次障害が問題となっているのだ。
発達障害は発達に凹凸があり、言い換えれば個性がかなり強いと言える。
自分と向き合い、得意、不得意を見極め、自分の本当の特性を知るることは必須なのだ。
正直、自分と向き合わず、他人に翻弄されて一生を終える人も多い。
しかし、病気や障害のおかげで私たちは自分自身と向き合い、自分に合った道を見つけ、進むことができるのである。
本来自分を知る作業はとても楽しいもののはずである。
楽しみながら自分だけの特別な地図を完成して欲しい。